お知らせ

視察研修等

令和3年度自治会長視察研修報告

 今年度の自治会長視察研修は、11月18日(木)から19日(金)までの2日間、市内各校区から59名の自治会長に参加いただき、熊本県に行きました。また、今回は「防災活動が活発な自治会」をテーマとし、向山校区防災団体連絡協議会(熊本市)と人吉温泉観光協会(人吉市)に研修を受け入れていただきました。
 まず、向山校区防災団体連絡協議会の視察研修では、中川統括様から挨拶をいただき、熊本市中央区役所総務企画課から熊本市の防災に関して説明をしていただきました。その後、向山校区防災団体連絡協議会の野間口事務局長様から、向山校区の防災に関する取組みを説明していただき、引き続き、グループトークを行いました。グループトークでは、自治会長が1テーブルに6名程、また、向山校区からの方役員が1名ずつ座り、各テーブルで防災に関する取組み、課題の共有等をするなど、活発な意見交換の時間となりました。

 

 また、向山校区においては、熊本地震の発生前から防災に関する講演会やワークショップ、防災訓練などを実施されていましたが、平成28年度には内閣府の地区防災計画策定モデルに地域に選定されるなど、熊本地震をきっかけに更に活発に活動されていました。
 なお、野間口事務局長様からは、熊本地震の実体験を踏まえた被災時に大切なこと(「笑顔とあいさつ」「「出」「入」の感染症対策」、「それぞれの「できるしこ」で自分と誰かの笑顔と命を守る」)や、地域に育ててもらった感謝のためボランティアで活動している等のお話をいただき、参加の自治会長も非常に感心されていました。

 

 次に、人吉温泉観光協会視察研修では、令和2年7月豪雨時の鍛冶屋町の商店における被害状況や避難の状況、復興までの地域での取組みについて、立山商店の立山様と鍛冶屋町町内会総務の馴田様から講話をいただきました。

 

 鍛冶屋町町内会では、以前から町内会の緊急連絡網を作成し、避難時に手助けが必要な高齢者などを把握し、地域のキーパーソンが見守る体制を構築されていました。また、令和2年7月の豪雨災害の復旧活動の際には、日ごろから地域づくりで関係性があった高校生などに手伝ってもらい、日ごろのコミュニケーションや密接な関係性が重要であるとのお話をいただきました。なお、災害時に避難をしない住民には、地域で信頼がある自治会長から避難を指示することが効果的であり、地域の地理を把握した的確で選択肢のある避難指示が大事ということでした。
 講話終了後は、視察会場から鍛冶屋町に移動し、実際に被害を受けた商店の見学等を行いました。

 

 今年度の視察研修においても、昨年度と同様にマスク着用、消毒・検温を三密の回避を実施し、さらにはグループトーク時のパネル設置など、コロナウイルス感染対策を徹底したうえで、視察研修を行いました。
 今後もコロナ禍の生活が続きますが、コロナ禍でも災害は待ってくれませんので、今回、災害をテーマに視察研修を実施できたことは非常に有意義だったと思います。
 参加いただきました自治会長におかれましては、今回の研修で学んだことを自治会の災害対策に活かしていただければと思います。

 
 ※視察途中の熊本城の視察。平成28年の地震から復興している様子が見学できました。




視察研修等

令和2年度自治会長視察研修報告

 11月19日(木)から20日(金)までの2日間、市内各校区から62名の自治会長の参加があり、事務局も含め総勢65名で山口県防府市等に視察研修に行きました。
 今回の視察研修は、「女性自治会長(役員)が活躍している自治会」をテーマに、防府市の国衙(こくが)町内会からお話を伺いました。
 まず国衙町内会の笹井前会長からは、女性自治会長に就任した経緯や負担軽減のため会長補佐を配置した話等を伺いました。また、女性自治会長として苦労したことではなく、住民に顔を覚えてもらうことで女性でも十分に活躍できたことや、自治会の活動により充実感が得られたこと、周囲の方のサポートへの感謝などを楽しそうにお話ししていただき、大変興味深いものでした。
 次に、宮本現会長から町内会の活動を詳しく説明していただきました。国衙町内会は人口2,800人、1,250世帯が住む地区内でも大きな町内会で、企画やイベントを多数開催しており、イベントには参加者が集まりすぎて困るほど賑わうそうです。自治会長の人柄の大切さや、部会によっては若い世代を取り入れるなどの工夫により町内会を盛り上げ、地域による子ども育成にも力を入れられていました。子どもがやることに大人は手を出さず見守る、行事の準備を子どもたちに任せるなど、自分で考えて行動できる子どもを地域で育てられており、将来の役員等の人材確保にも期待できるとのことでした。参加者からは「参考になった」「取組みが素晴らしい」など、たくさんの感想をいただきました。

 

 また、防府市役所の到着時には防府市のマスコットキャラクター「ぶっちー」のお出迎えを受け、研修の途中には防府市自治会連合会の田中会長と池田市長にもご挨拶をいただく等、大いに歓迎をしていただきました。コロナ禍に関わらず、快く視察を受け入れていただいた国衙町内会の皆様、また、検温・消毒・換気などの対応までお気遣いいただきました防府市役所市民活動推進課の皆様には心から感謝します。

 

 そのほか、防府天満宮や瑠璃光寺、秋吉台などの山口県が誇る名所を巡りました。コロナ禍ということで全て屋外の施設を回りましたが、天候も良く、安心して歴史や文化に触れることができました。コロナ禍で遠出する機会が少なくなったと思いますので、参加された自治会長の皆様には良い機会になったなら幸いです。

 

 今回の研修では、自治会の活動を盛り上げるためのヒントがたくさんあったように思います。女性や若い世代の参画、地域の子どもの育成等は、これからの自治会の存続に欠かせないものです。既存のものを大切にしながら、それらを上手く取り入れ、自治会の発展を目指していければと思いました。また、今回はコロナ対策で3密を避けるため、大型バスの台数を増やし、宿泊先を個室にする等の対応をしました。今後もコロナ禍は続きますので、視察研修のやり方について検討していきたいと思います。

視察研修等

令和2年度理事視察研修報告

 7月21日(火)から22日(水)までの2日間、理事23名、事務局3名の総勢26名で、有田町、玄海町等へ研修に行ってきました。
 県外も含め、様々なところに視察の受け入れをお願いしましたが、新型コロナウイルスの影響により、どの団体も自治会も、受け入れは難しいとのことでした。
 それならばと、県内の施設に絞り「佐賀支え愛」の下、佐賀が誇る有田焼、源右衛門窯、玄海エネルギーパークなど、改めて佐賀の良さを知る研修に切り替えました。
 九州陶磁文化館では、九州の陶磁器の歴史や、各時代の特徴、製作手法の説明などがわかりやすく展示されてあり、伊万里焼の磁器や、唐津焼の陶器をはじめとした肥前の陶磁器を中心に、九州各地の名品を収蔵展示されています。特に江戸時代、長崎からヨーロッパへ輸出された古伊万里のコレクションは圧巻で、佐賀県が誇る「陶磁器」の文化をあらためて再認識し、学ぶことができました。
 鑑賞前に、文化館の案内とともに鑑賞者へ密を避ける等の注意事項の説明が行われました。

 

 昼食をはさみ、源右衛門窯へ。磁器発祥の地・有田に窯を築いて260年余りとなり、築150年の家屋内では往古のままの手技と古伊万里の心を引き継ぎ、ろくろ、下絵付け、本窯、上絵付けから上絵窯に至る全ての行程において各分野の専門の熟練した職人たちの手仕事により作陶されている様子を、順を追って見学することができました。
 静かな環境の中、普段は目にすることがない、伝統的な文化の担い手である職人たちの淡々とした手仕事により、磁器が少しずつ出来上がっていく過程を見ることができたのは大変貴重な体験でした。
 工房内へは、密にならないよう4班に分けて時間をずらし、順次中へ入る体制がとられました。

 

 つづいては、松浦一酒造へ。伊万里市で、正徳6年(1716)創業以来酒造りをしてきた老舗酒造。「かっぱの酒蔵」としても知られ、その古い酒蔵内には、昭和28年(1953)に屋根裏で発見された「かっぱのミイラ」が祀られています。酒蔵内での見学では、ミイラの他に展示されているたくさんの日本各地のかっぱに纏わる品々や古い酒造道具や農機具など200点あまりを見ることができ、小さな博物館のようでした。
 二日目は玄海エネルギーパークへ。人と自然と原子力を中心に、さまざまなエネルギーとふれあうことができる施設として、玄海原子力発電所敷地内に併設されたテーマパーク施設です。研修当日に見学可能な「サイエンス館」と、発電所の廃熱を有効利用した観賞用温室を見学しました。
 「サイエンス館」では、密を避けるために2班に分かれ、各班それぞれ施設ガイドの引率による案内で、映像やパネル、模型、特に全国初展示となるコンピューターグラフィックスを組み込まれた巨大な実物大原子炉模型などを見学し、原子力発電のしくみや安全性、放射線などについて、具体的に分かりやすく学ぶことができました。
 観賞用温室でも、安全な廃熱利用による温度管理で、様々な熱帯植物が栽培されている様子を見学することができました。見事に咲き誇った胡蝶蘭はとても綺麗でした。

 

 最後は小城市の羊羹資料館へ。資料館の1階は小城における羊羹業の成り立ちや羊羹製造工程についての説明ビデオ、2階では羊羹づくりの道具や小城羊羹の歴史を紹介したパネル等が展示されてあり、ここでも密を避けるために、2班に分かれてそれぞれ見学を行いました。

 今回、新型コロナウイルスの感染拡大のため、佐賀県内での施設見学による研修となりましたが、あらためて佐賀県の産業や文化を認識するとともに、見学先や立ち寄ったところで様々な新型コロナウイルスへの対策を目にすることができました。当然ながら手・指の消毒薬の設置とマスク着用は常とし、飲食においては、向かい合わない配置、距離を開ける、配膳者の手袋着用、施設での少人数での案内や見学、検温等、今後の自治会行事などで「新しい生活様式」を模索・検討していく上でのヒントや課題を得ることができたのではないかと思いました。

視察研修等

令和元年度自治会長視察研修報告

 11月21日(木)~22日(金)の2日間、市内各校区から61名の自治会長の参加があり、事務局も含め、総勢65名で長崎県島原市や熊本県山鹿市に視察研修に行ってきました。
 今回の視察研修は、「地域における高齢者や子どもたちへの見守り活動に対する先進的な取り組み」をテーマに、島原市高齢者等見守りネットワーク協議会と島原市からお話を伺うことができました。
 島原市高齢者等見守りネットワーク協議会からは、設立の経緯や、高齢者の見守りに関する取り組み内容について詳しく説明していただきました。具体的な取組みとして、見守りのネットワークの構築に取り組んでおられ、市内の34の事業所と連携協定を締結し、情報共有や意見交換を行っていることや、見守りが必要な高齢者にQRコード付きのシールを配布し、普段身につけるものに貼り付けることで、行方不明になった場合に発見者がQRコードを読み取り、通報できる仕組を構築されています。
 今回の視察研修に伺った当日には模擬訓練が行われており、情報を受信できたか確認することを主な目的とし、高齢者役を発見したら事務局へ連絡をしてもらったり、認知症により自宅に帰れなくなっている高齢者の方に対する声掛けの体験等を行ったりしているということでした。実際見学することはできませんでしたが、過去2回の模擬訓練の実績をもとに、良かった点、改善点等をお話しくださいました。自治会長の方々から多くの質問があり、活気のある質疑応答となりました。
 
                       QRコード付きのシール貼付例

 少し休憩をはさんだ後、島原市から、子どもの見守りに関する話を伺いました。
 子どもたちにとって、安心・安全な環境をつくるため、市内小学校の校門や玄関にセンサーを設置し、また、小学1~2年生のランドセルにICタグを取り付けて、児童の登下校の状況を保護者の携帯電話等のアドレスに通知するシステムを平成19年度に導入されていました。センサーにはカメラも取り付け、保護者は画像の確認も行えるという画期的なものでした。導入時には、保護者説明会の場を設け、理解を得ることで保護者の安心感も増し、大きなトラブルはほとんどなく運営できたそうです。
 導入から10年が経ち、維持管理経費の市の負担や機器の製造終了等により、新しいシステムへの乗り換えを検討されていました。費用がかかる分、簡単には取り入れられませんが、先進的な話を聞くことができ、これからの時代の子どもの見守りについて、既存のやり方だけではなく、新しい取り組みにも目を向けていく必要があると感じました。
 
                             ICタグ

 そのほか、島原城天守閣、蓮華院誕生寺奥之院、いだてん大河ドラマ館、山鹿豊前街道、八千代座と、各施設の見学や、そこにまつわる歴史を学ぶことができました。八千代座では、テレビの普及により一時閉館となったものを地域住民で復興したりと、まちづくりの取組みとして興味深いものがありました。
 
 
 今回の研修では、自治会でも身近な問題でもある高齢者の見守りに関して多くの質問がありました。佐賀市でも、行方不明者の高齢者の捜索にかかる訓練が実施されている校区もあります。今回の研修をふまえ、他の校区でも取組みの参考になればと思ったところです。

視察研修等

令和元年度理事視察研修報告

 7月25日(木)~26日(金)の2日間、理事28名、事務局3名の総勢31名で、北九州市、宗像市へ「空き家対策」の視察に行ってきました。
 1日目の視察先「北九州市」へ。
 まず、北九州市空き家活用推進室からお話を伺いました。
 北九州市では、平成26年に、主に戸建て物件を対象に空き家調査を自治会に依頼。調査結果を踏まえ、同年「北九州市空き家等対策基本方針」を策定し、様々な取り組みを進められています。平成31年には6団体(司法書士会、宅建協会、土地家屋調査士会、不動産鑑定士協会、解体工業会等)と協定を締結したことや、ケアマネージャーの団体と連携し、市へ相談を繋ぐ体制を整備していること、空き家の適正管理についての啓発活動も実施していることなど、詳しくお話しくださいました。
 続いて、一般社団法人北九州空き家管理活用協議会からは設立の経緯や取組等を伺いました。放置空き家になる前の予防が重要なことや、若者の意見を尊重し人材育成をすることで、住みやすいまちになるという助言も頂きました。
質疑応答の時間には、理事の皆さんから資金面や山林地区の農地問題などの質問があがり、時間をオーバーするなど、とても有意義な視察となりました。


 


 続いては、小倉城、九州鉄道記念館、門司港レトロの散策へ。
 小倉城は中国地方の毛利氏の手により、1602年から約7年の歳月をかけて建設されました。1837年の火災による本丸の全焼後、再建されていなかった天守閣は1959年に市民の要望によって再建され、荘厳な姿で小倉の町を見守っています。また、2019年3月には、小倉城内部を全面改装。展示内容や展示品を一新し、シアターや体験コーナーも設けたエンターテインメント性の高い施設となっており、ガイドさんの話を聞きながら小倉城の歴史をひも解く時間となりました。
 九州鉄道記念館では、昔懐かしい車両の展示に、若かりし頃の想いを馳せながら、ガイドさんの説明に耳を傾け、門司港周辺のレトロな町並みを散策しました。

 

 

 二日目の視察先の「宗像市」へ。
 宗像市では、平成28年度に全家屋を対象とした空き家調査や所有者へのアンケートを実施し、空き家問題に関する課題を整理。その結果、空き家問題の解決には行政だけでは対応は困難ということで、不動産業者や解体業者、金融機関、司法書士会、シルバー人材センター等と協定を締結し、取組の連携や情報共有を図っていること、また、空き家に関する申込や相談対応は一般社団法人“住マイむなかた”に委託していること、空き家が発生する前の予防が重要であるということから、高齢者世帯や施設入居(予定)者家族に対して情報提供や支援を行い啓発にも力を入れていることなど、先進的な話を聞くことができました。

 

 締めくくりは、宗像大社へ。
 2017年に“「神宿る島」宗像・沖ノ鳥島と関連遺産群”として文化遺産に登録されました。高宮祭場等の様々な名所を見学し、御祭神の歴史等を学ぶことができました。

 

 今回の視察研修のテーマである「空き家対策」について、現時点で自治会が出来ることとしては、地域における啓発活動や行政への情報提供等と考えられますが、そのためには、まずは日ごろからの地域内や行政との良好な関係づくりこそ重要なことだと再確認することができた視察研修となりました。

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